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05:仰望

2009.12.04.Fri.19:40
少女は少年と話を始めた。

少年は少女に町を案内した。


「こっち、だよ」


少女の容貌はこの世界では特別だった。
いくつもの眼が少女を振り返る。

はじめは怖がっていた
でも少女はこの世界を楽しみ始めていた。



少年は、少女を高台に連れてきた。
「すごい!キレイだね、ヨハン!」
少女の住んでいた町ではなかなか見られない花畑。

青い、碧い世界だ。



やはりここは 少女の望んだ世界なのだということ。




二字熟語で100のお題 その三 Type:5/追憶の苑より
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04:原色

2009.11.28.Sat.16:42
眩しさが和らいだので目を開けた。


そこは青かった。
そこここで青いバラが咲き乱れ、
恐いくらいに青い 空、湖、建物――

まるで青の絵の具だ、と少女は思う。



けれど、



目の前に立つ少年の髪
それが
それだけが濁らない白だった。


「君は――どこからきたの?」





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03:書物

2009.11.27.Fri.18:53
12歳を超えたころから
少女は空想のお話をノートに綴っていた。


太陽の沈まない ずっと賑やかな町
青いバラがそこいらじゅうに咲いて
辺りは全て真っ青。


ノートの横には
読みかけの詩集と
レモンティーと

そしてあの 碧い宝石。



丸く滑々した宝石を通して光を見ると
万華鏡のように反射し
「少女の青い世界」を一層輝かせる。





ある朝、早くに眼が覚めたので
いつものように机に向かい ペンを走らせる


ふと 落とした言葉


「 こんな世界に いきたかったのに 」



碧い光が部屋を覆った。





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02:宝石

2009.11.26.Thu.18:16

少女が今より小さい頃
少女の祖父が亡くなる前
祖父に見せてもらった宝石箱。


「大事なものだから 開けちゃいけないよ」

なんて 言われていたけれど



ガラスと木枠で出来た宝石箱。

右手でそっと持ち上げて
左手でそっと蓋を開ける。


中に入っていたのは碧い宝石。


少女はそれをこっそりと持ち出し、
何度も 何度も 眺めるようになった。


この宝石を持っていれば 何かが起こるかもしれない!




きっと 何かが――





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01:空想

2009.11.25.Wed.21:25

少女は空想が好きだった。


ここではない世界
誰も考えないような世界を少女は好んだ。



さくらの朝露も
深緑の湖も
漂うたんぽぽの甘い香りも

どれも とても素敵だけれど

この世界には何か足りない


そんな気がして。



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